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語上達全マップの学習記

英語上達完全マップとは

  • 英語上達完全マップと呼ばれる音読を中心とした英語学習法です。
    提唱者は森沢洋介さん。
  • 実際にマップの通りに学習を進めて成果を出した方は大勢います。
    なりしかさんが有名かもしれません (英語上達完全マップを10ヶ月やってみたの人)
  • 自分もマップに書かれていることを守りながら、なりしかさんの学習した本と基本的に同じものを使って学習を進めました。

学習の結果

  • TOEIC 865 (L : 450、R : 415) ※スコア
  • マップ提唱時と現在とで TOEIC 周りの状況が異なるため、第4ステージ後半でも TOEIC は 650 ほど。
  • ただし、英語力は潜在的に蓄え続けられていたためか (いわゆるプラトー)
    第4ステージ後半に TOEIC 本を使った音読パッケージを行うと、程なくして TOEIC の点数が急速に上昇
  • マップのステージの進行度合いと、自身の TOEIC の点数が一致していなくとも、気にする必要はないです。
    音読を中心としたマップの学習は、確実に英語力の上昇を実現します。

学習の内訳

発音音読パッケージ瞬間英作文文法精読プレ多読ボキャビルリスニング合計
時間13645417447166402376722538
冊数16671605-86
  • 音読中心の時間配分。 文法セクションも、約8割はシリウス親子の音読が中心。
  • 途中何度も学習を中断した結果 & 自身の過度のこだわりから、一冊の本を仕上げる時間が過剰に伸びてしまうことが多く、学習時間が無駄に長引いてしまった感が否めません。
    なりしかさんのように、無駄なく学習を進めれば 500 時間は学習時間をカットできた筈です。
  • プレ多読は200万語以上を読了。
    前半は Cambridge 社の語彙制限本で、後半は英語版ライトノベル。
  • 完全マップ実施以前に学習していた書籍や時間は内訳に含めていません。それを含めると、おおよそ3000時間の勉強時間になります。

学習の詳細

第1ステージ

発音

マップでは特に発音に関して特別な言及はないのですが、念のために本書でしっかりと記号と発音の関係を覚えました。
発音は音読パッケージを進めていけば自然に身につけられるものなのですが、一冊買って損はないと思います。

音読パッケージ

森沢先生書き下ろしの音読パッケージ1冊目です。 音読パッケージ用なのでリピーティング用の音源も付いています。
マップを本格的に進める中で、最初の関門になるだろう本です。
本書は最初の章 「外国語学習法」 が、本全体を通して一番難易度が高いセクションです。
なのでもし進行に差し障りがある場合は、次章の 「ついてない日」 から始めることをオススメします。

自分は本書がリピーティング初挑戦だったのですが、そのあまりの出来無さに開始早々に心をへし折られてしまいました。
酷いときだと、たった4語の文章でさえも記憶を保持できずに、聞いた数秒後には頭から蒸発してしまい愕然としたことを覚えています。
サイクルを回していけば、必ずリピーティングできるようになるので、焦らずに回数を重ねると良いと思います。

ちなみにベレ出版から発売されている森沢本は、この黒猫がトレードマークになっています。猫好きには朗報かも?

瞬間英作文

同じく、森沢先生書き下ろしの瞬間英作文用の本です。どんどんどんどんおかわりとよく呼ばれます。
瞬間英作文の第1ステージは、この2冊から始めると良いと思います。
ぽんぽんはパターンプラクティスと呼ばれる、お題の文章を少しずつ変形させていくメソッド用の本なのですが、瞬間的に英作文を構築することに特に支障がなければ、購入する必要はないです。

音読を主体とした学習をしたことがない方の場合、初めは文章を滑らかに発音することができず、まるでカヌーが岩に激突しながら川をぎこちなく下っていくような感覚に陥ると思います。
しかし、同じ文章を何度も音読していくと、段々とスムーズに発音できるようになるので、焦らずにサイクル回しを行って下さい。

あと一応の補足なのですが、マップにおけるステージと、瞬間英作文のステージは別物です。

文法

中学生用の英文法書をとりあえず購入してサラッと通読しました。
音読パッケージのみるみるや、瞬間英作文のどんどんの進行が文法的に辛いと感じる場合は、一冊購入しても良いと思います。
ただし、じっくりと熟読する必要はないです。
マップに書かれていますが、文法書はしっかりと最初から最後まで熟読して頭に覚え込ませるのではありません。
文法書はあくまで参考書という位置づけで捉えて、文法問題集の音読を中心に、肉体に覚え込ませるものです。
あくまでメインは音読です。

なりしかさんが通読していたという理由で、この本を購入しました。
丁寧な表現や仮定法を過去形で表現する理由は目から鱗で、一見の価値ありだと思います。

第2ステージ

音読パッケージ

森沢先生書き下ろの音読パッケージ2冊目です。
みるみる同様、しっかりとサイクルを回して、リピーティングが一発でできるようになるまで粘りました。
収録されている文章は多種多様な内容で、個人的にポテトチップスが生まれた話は面白かったです。

自分は本書を進めているときに学習を一時中断してしまったので、リピーティングの完成に時間が掛かってしまいました。
以降もたびたび学習を中断してしまうことがあり、その都度余計な時間が掛かってしまったことを今でも悔やんでいます。

瞬間英作文

森沢先生書き下ろしの瞬間英作文第2ステージ用の本です。
スラスラは前半が 「シャッフル」、後半が 「コンビネーション」 と呼ばれるセクションに分かれているのですが、コンビネーションは口に馴染んで瞬間的に英作文ができるようになるまでに時間が掛かります。
今ならスラスラおかわりから先に取り掛かった方が、学習がスムーズに行えるかもしれません。

自分はコンビネーションを行っている時期に、前述のぐんぐんと共に学習を中断していたので、ただでさえ難しいコンビネーションの完了にさらに時間が掛かってしまいました。

文法

高校英語用の文法問題集として、本書を購入しました。 通称シリウスジュニア
森沢先生もオススメしていたとおり、良質な文法問題集だと思います。自分も断然オススメです。
かなり念入りに例文を暗誦しました。これと親シリウスを完了させれば、文法問題集は十分だと思います。

有名な文法書です。昔は Forest と呼ばれていたのですが、今は EverGreen に変わったようです。
シリウス親子を進めているときに、分からない文法箇所を調べるときに使っていました。
完全マップを完了した後でも使える良書だと思います。

なりしかさんが購入していたので、自分も購入して2回通読しました。
助動詞の may well、may as well の違いや、比較の no more than、not more than の違いなどが、とても分かりやすく解説されていて、大変勉強になりました。

第3ステージ

音読パッケージ

森沢先生書き下ろの音読パッケージ3冊目です。
みるみるぐんぐんの2冊を、しっかりと完了した上で本書に臨んだわけですが、かなりハードルが高くて挫折しそうになりました。
マップ後半の関門の一つかと。
みるみる同様、なぜか序盤に難しい文章が集中していて、本当に大変でした。その分、完了したときの爽快感は凄まじかったです。

本書でチェスボクシングの存在を初めて知りました。最初、聞き間違いかと思って首を傾げたのは良い思い出です。

瞬間英作文

瞬間英作文の第3ステージでは、バンバンから始めるのが良いと思います。
自分がマップを進めていたときは本書は発売されていなかったので、代わりに会話できる英文法大特訓を選びました。
森沢先生書き下ろしの瞬間英作文本と同じレイアウトになっているので、マップ学習者の方にはオススメです。
今なら2冊をバンバン大特訓の順に終わらせるのが良さそうです。

文法

シリウスジュニアの上位版です。 通称親シリウス
シリウスジュニアと比べて出題される文法問題と例文の難易度が共に上がっており、ページ数も2倍近くと大ボリュームです。

自分はこの時期、本書と1つ下で紹介している英文解釈教室を並行して進めていたのですが、この2冊が本当に辛くて再び挫折してしまい、長期的に学習を中断してしまいました。

精読

有名な伊藤和夫先生著の英文解釈教室です。知る人ぞ知る名著。
なりしかさんが超オススメと絶賛していた本書。自分はオススメできません。
理由は、あまりに難しすぎるからです。
確かに、本書をやりきれば、精読の視野が圧倒的に広がることは間違いありません。使われている例文も機知に富んでいて非常に含蓄があります。
ただし本書は敢えて言うなら、マップを完了した後、さらなる高みの世界に足を踏み入れるときに活用するべきものです。
伊藤和夫先生でいえば、ビジュアル英文解釈の方がオススメです。こちらは Part 1 & 2 と2冊に別けられています。

自分は本書のあまりの難しさにノイローゼ状態になって、学習を長期的に中断せざるを得ない状況に陥りました。
ただ 「積ん読」 いう概念を知れたのは、個人的に良かったなと思っています。

英単語

ご存じの方も多い、名英単語帳DUOです。出てくる例文に覚える単語が違和感なく盛り込まれていて、非常に覚えやすいです。
なりしかさんと同様に全体を3分割してサイクル回しを行い、最後に全体でサイクル回しを数回行って完成させました。
ボキャビルの1冊目は、これで決まりだと思います。

第4ステージ

瞬間英作文

バンバンも終わって中学生レベルの瞬間英作文がそれなりに出来るようになったら、いよいよ高校生レベルの瞬間英作文のタイミングになります。
瞬間英作文もここまで来ると使われる英文が、本格的に難しくなってきます。
自分は前半を3サイクル目を回した段階でストップしたまま、完全マップを完了させてしまいました。機を見計らって、完了させたいと思っています。

英単語

DUO の後、12000 語まで到達するために、SVL を選択しました。
SVL とは、アルクが策定した 12000 語の重要英単語リストのことで、それを4つに分割して出版されたのが、究極の英単語シリーズです。
Vol.1 は抜けがないかの確認のためにサラッと目を通すくらいに留めました。
Vol.2 は DUO と重複しているので、知っている単語が潤滑油になって、特に問題なくボキャビルを完了させられました。
Vol.3 からが本番で、知らない単語が視界を埋め尽くすようになって、脳に掛かる負荷が一気に増えました。
Vol.4 になると、最早、見覚えのない英単語だけしか存在しない有様となり、完遂するのには非常に困難を伴います。

自分は、なりしかさんが通った道だったということで SVL を盲目的に選択しましたが、実はマップ的には間違った単語本の選び方です。
理由は、それぞれの Vol 間で単語の重複がほぼほぼないためです。品詞違いによる多少の重複はありますが。
マップにも書かれていますが、ボキャビルは自分が最初から知っている単語が 3~5 割は含まれている単語本を使うべきです。
全く知らない単語しか載っていない単語本だと、負荷が掛かりすぎて挫折の原因になります。
使用する単語本は増えますが、12000 語レベルに無理なく到達するためには、もう数冊の重複した単語本を間に挟むべきです。

プレ多読

  • プレ多読は YL 3 以上を推奨します。それ以下だと、一冊当たりの語数が少ないためです。
    YL とは SSS (英語多読研究会) が提唱した洋書の難易度の指標のことです。
  • 多読を行うことで、悪い意味での文法第一主義から脱することができます。
  • 読んだ語彙制限本は全て Cambridge English Readers です。
    個人的に How I Met Myself が一番のお気に入りです。
  • 語彙制限本の後、英語版ライトノベルを中心に多読を続けて200万語を達成しても、TOEIC のリーディングパートを時間以内に終わらせることは不可能でした。
    もちろん個人差はあると思います。

読んだ語彙制限本

タイトルYL読書時間語数WPM
Just Good Friends32.71363084
Eye of the Storm32.314146103
Double Cross32.514950100
How I Met Myself32.41259787
High Life, Low Life44.41835870
A Matter of Chance431789299
The Amsterdam Connection42.519110127
But Was it Murder?43.21785793
The University Murders43.118691100
The Sugar Glider552292276
Dolphin Music54.72326783
Death in the Dojo54.22087383
In the Shadow of the Mountain55.52248368
All I Want54.32481396
East 43rd Street54.72250280
Emergency Murder53.120514110
A Tangled Web53.925813110
Better Late Than Never53.924595105
A Dangerous Sky65.82927684
Nelson's Dream65.42929990
Trumpet Voluntary64.829451102

TOEIC対策

リスニング

  • Part 3、4 の音読パッケージが中心。
    InsPause というツールで、音源をリピーティング用の素材に加工することができます。
  • Part 1、2 は耳に慣れないフレーズのみを一期一会で音読するに留めました。
  • ここまでマップを進めていれば、Part 3、4 の音読パッケージは数サイクルで完了するので、おかわりしていけば、どんどん点数が上がっていきます。

リーディング

  • Part 6、7 の演習と繰り返しの多読が中心。
  • マップをここまで進めてきたのなら、特別な TOEIC 対策は必要ないです。
  • 一度、時間を気にせずにリーディングパートを自然体のままで解いてみた時の点数が、本来自分が取得できる本当の点数です。(自分は 450 くらいになりました)
    後は時間内にリーディングパートを完了できるように、ひたすら TOEIC とは関係なく多読を続けて読解スピードを上げていくことが点数の上昇に結びつきます。
    Part 5 の文法問題が苦手であっても、多読を続けていれば 7~8 割程度は安定して取得できると思います。
  • 事情があって効率よくリーディングパートの点数を上げたいなら、TOEIC 本を中古で大量に購入して、Part 7 の多読を購入した本全体でサイクル回しすると良いと思います。

その後

  • TOEIC で 865 点を取得してからは、本格的な英語学習は行っていません。
    私生活で英語を使う機会は皆無で、仕事で英語の資料を読む機会がある程度です。
    時折、PBS NewsHour の気になるニュースを聞くなどして、リスニングは継続しています。
  • 2021 年から VRChat を始めたことで、英会話をする機会が増えました。
    マップを達成したことで、外国人ともコミュニケーションが取れて視野が広くなった気がします。